どう頑張っても夢女が勝てない。
DDというわけではないと自負しているが、どの作品にも好きなキャラクターがいる。好きなキャラクターがいれば私の選択肢はひとつ。
夢女になることだ。
私は男がめちゃくちゃ好きなので、どう頑張っても女を好きになることはない。なので好きなキャラクターは男しかいない。好きなキャラクターが男なら私の中にある選択肢はひとつ。
夢女になることだ。
そういうわけで私は数々のキャラクターの夢女をやってきた。小学校〜現在に至るまで付き合った男は数知れず。全部違う世界の違う私なので浮気ではない。
そんなこんなでどんなキャラクターに対しても彼女として接してきた私だが、たまにどう頑張っても幸せになれない。というか相手の1番になれる気がしないときがある。
「圧倒的相棒の女性がいるキャラクター」だ。
私は超現実的夢女をモットーにしている。というかそういうやり方しか出来ない。
小中学生の頃は自分が激強でヤバい能力を持っている夢主設定の夢小説も読んだし、何なら書いた。しかし現在25歳。
出来ない。想像がつかない。
夢女のくせに変に現実的になってしまった。作品に茶々を入れることはしたくないし、現実味がなさすぎるのは全く萌えない。
そういうわけで超夢主設定という選択肢は私の中にない。
つまり「ただ1人の女」として性格だけを愛されなくてはいけないのだ。
この縛りがある以上突き当たる問題がひとつ。
「圧倒的相棒の女性がいるキャラクター」だ。
例えば、私はSOUL EATERのソウルくんが好きだ。中学生の頃にアニメを見てハマり、漫画も買った。あの粗野っぽい見た目、CV内山昂輝。
たまらん。
そして性格。皮肉屋に思えて実は優しい、ひねくれているように見えて相手を信頼してくれる。
たまらん。
しかしその優しさと信頼はいつも誰に対してのものか。
相棒のマカだ。
そう、ソウルくんの優しさや信頼は常にマカに向けられている。共に戦う相棒なのだから当たり前だ。
相棒のマカとはいつも一緒だ。新築ではなさそうだが、きちんと片付けがされているアパートで2人暮らし(ペット1匹)。
恋仲ではないが信頼し合う2人。
恋仲ではないが一緒に暮らす2人。
ソウルくん、私のこと好きになるか?
いや、ならない。何があってもならないだろ。だっていつもマカがいるし。マカに優しいし、いつもマカの心配してるし。
生死を共にしている肉体も精神も強い勇敢な女が隣にいるのに、私みたいな普通の女にのこと好きになるか?
いや、ならないだろ。
こうなってしまう。SOUL EATERに限らず少年漫画にある男女ペアで戦う系は大体こうなってしまう。
大体こうなってしまうってそもそも夢女向けに作られたわけじゃないし(そんな少年漫画はない)当たり前なのだが。
めちゃくちゃ辛い。
どんなシチュエーションならソウルくんが私を好きになって、私と付き合って、私と結婚をするのか全くわからない。百歩譲って完結後ならあるかも知れない。
そういうわけでたまにどう頑張っても夢女が勝てない状況というものが生まれる。
少女漫画の場合は有り得そうな話も多いし、有り得ない話だったとしてもなんとなく自己投影がしやすい。自己投影して読むことはそもそも少女漫画の1つの読み方だと思うし。
あと主人公と付き合うことになる男を好きにならないことが多いので、自分を主人公の女友達として勝手に登場させ、好きなキャラクターと自在に付き合うこともできる。
この世の大体の作品はなんとかすれば好きなキャラクターと付き合えるのだ。
しかし例外なのが、「圧倒的相棒の女性がいるキャラクター」。
これの解決策だけは未だにわからない。
少し変わって、私はその原因となっている女キャラクターを恨んでいるのか。
これも難しいところだ。またSOUL EATERを例に上げるが、
まず1つ目に、ソウルくんをかっこいいと思わせるシーンはマカ無しでは殆ど成り立たない。つまり「マカのお陰」でソウルくんのかっこいい部分を見ることが出来ている。マカが居なければ、私は多分ソウルくんのことを好きになっていない。これはマカに感謝だ。
そして2つ目に、好きな男の相棒に嫉妬をするほど醜い女にはなりたくない。仮に私がソウルくんと付き合っているとする、私はソウルくんの相棒であるマカが気に入らない。何故かって、いつも一緒だから。
これはいい女じゃない。
ソウルくんとマカは命懸けで戦っている、相棒として。そこに嫉妬をする?2人はいつも危険な目に辛い目にあってそれでも戦っているのに、たかが恋心でそれを否定する?
出来るわけがない。それこそソウルくんのアウトオブ眼中な女になってしまう。
正直な話をすると、マカが羨ましい。嫉妬羨望の念を抱かざるを得ない。だがしかしそれを向けることはお門違い。マカからしたらいい迷惑だ。
以上のことから私はその原因となっている女キャラクターを恨んではいない。というか恨んでるっぽいけど格好悪いからそんなことは口にしたくない。
あまりに現実味が無さすぎて、マカに自己投影することは出来ない。
マカがいる以上、普通の女である私がソウルくんに好かれるとも思えない。
しかしマカを真っ向から恨み貶すことも出来ない。
私のソウルくんへの思いは、一体どこに向かうだろうか。
この想いを消化できる方法が、いつか見つかればいい。
時に夢の中でも叶わぬ恋があるのだ。